今週のコラム 第二十九回

高品質の精密機械 〜グレッグ・マダックス
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 がんばれタブチくん、というマンガを覚えていらっしゃいますか?
主役はもちろん当時西武ライオンズの田淵幸一選手。
そして主役のタブチ選手を脇から支えた助演が元ヤクルトスワローズの安田猛投手。マンガではひげ面の汚い顔で、ハエが止まりそうなボールやわけのわからない魔球を開発しては投げていましたっけ。
安田投手はヤクルトスワローズに入団すると7勝5負防御率2.08という成績で新人王と最優秀防御率のダブルタイトルを獲得したのです。翌年も2.02という抜群の成績で2年連続の最優秀防御率に輝いたのです。
 安田投手の最大の武器は類い希なコントロール。敬遠のフォアボール以外のフォアボールはなかったというくらいの、まさに精密機械。ベイスターズの小宮山投手が精密機械と呼ばれていますが、そのコントロールは比ではありませんでした。
 メジャーリーグで精密機械といえば、ご存じアトランタブレーブスのグレッグ・マダックス投手。マッドドッグ(狂犬)という愛称もいただいていますが、それはマダックスとマッドドッグの発音が似ているだけで、ピッチングが荒々しいというわけではありません。発音はマダックスとマドッグ。
どう?近いでしょ?ちなみにかつてロッテに在籍したことのあるビル・マドロック選手の愛称もマッドドッグでした。
 そのマダックス投手が70と1/3イニング連続無四球という記録を打ち立てました。そしていまだに継続中なのです。
 そもそも抜群のコントロールが売りだったマダックスの別名は90年代最高の投手。90年代に限って見れば、防御率が3点以上になったのは3回だけで、1点台が2回。防御率1.63という驚異的な数字を残した95年は209イニングでフォアボールは23個。1試合平均1個というおそろしい成績でした。
 マダックスの絶頂時、マダックスの対戦相手は打者ではなく審判でした。
ホームベースのコーナーを突き、ストライクを取ります。すると次はボール3分の1だけ外に外します。ボールと判定されるまでわずかずつボールを外へ、低めへと外していきます。ボールと判定されると今度は逆にボール3分の1ずつ中へ入れます。実際はあきらかなボールであるにもかかわらず、審判とマダックスの駆け引きのおかげで、打者は外角低めのボール球に手をださなければならなくなるのです。これでは打者に打てるわけがありません。
なにしろ外角低めのボール球で勝負されるわけですから。
 その90年代最高の投手にもここ2年ほどは3点台の防御率で、マダックスの時代は終わったなどと言われていましたが、ここにきて2点台の防御率へと戻ってきました。たしかに全盛時のようなボールの切れはないものの、今年から導入された新ストライクゾーンのおかげで蘇ったのです。
 守備の名手としても有名で90年から昨年まで11年連続でゴールデングラブ賞を獲得しています。使用しているグラブは、ウイルソンのコンフォームA1915
デュアルヒンジウエッブというウイルソン独自のウエッブが特徴的なグラブで、長い間愛用しているようです。このグラブを使ってノーコン病を克服したい!

2001.8.09K

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