今週のコラム  第五回

神に愛された息子〜ケン・グリフィ Jr.

 98年9月、キングドーム。オリオールズの打者の放ったセンターへの大飛球を背走しながら見事にキャッチ。スタジアムでその瞬間を見守っていた観客全員が総立ちとなり拍手がわき起こる。拍手はすぐにはなりやまず、その音はますます大きくなるばかりである。捕球した選手はスタンディングオベーションに対して、ちょっと照れくさそうに手を振り、拍手の嵐はエンディングを迎えることになった。私がシアトルで見た試合の一幕である。
この中堅手とはもちろん、現レッズのケン・グリフィJr.だ。残念ながらその試合では快打は見られなかったが、10年連続で受賞しているゴールデングラブ賞の実力をまざまざと見せつけてくれた。
昨年の成績は近年のグリフィとは思えないような成績に終わってしまった。 環境の変化が一番大きな原因だろうが、今年はきっと彼本来のバッティングを見せてくれるはずだ。
 マグワイアをはじめとする最近の長距離打者は隆々とした筋肉を誇らしげに見せるが、グリフィはまったく逆の立場にいる。筋肉を付けるためのトレーニングはしないというのだ。そのスタイルはまさに柳のよう。スラっとしていながら、弾力性のありそうな体からとてつもないスピードでバットがスイングされると、打球はあっというまにライトスタンドへ飛び込んでいく。目を凝らしていないと、グリフィの打席では、かの有名な「スイングマン」の姿しか見ることができない。
 メジャーリーグのコスプレとして最も手本とされるのがケン・グリフィ。グリフィの用具はすべての草プレーヤーにとって憧れとなる。
 まずはグラブ。ローリングスの型番TB24がグリフィモデル。規定サイズギリギリの13インチという大型のグラブはTRAP-EZEウエッブによって、非常に重量バランスのとれたグラブとなっている。
 グリフィはシーズン中にいくつもグラブを交換することで有名である。どういったタイミングで交換するのかは不明だが、とにかくポンポンと友人知人にグラブをあげてしまうそうだ。
 バッティンググラブもグリフィともなると別格。ナイキがグリフィ用にグリフィモデルなるものを作っているのだから。もちろんスパイクもグリフィ専用モデル。いずれの用具もグリフィモデルとして販売されているので、グリフィを気取ることは比較的容易だが、あとは財布が許してくれるかだけだろう。

2001.2.9 K



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